現代美術界で重要な賞の一つである「ターナー賞」を2000年に受賞し、ロンドンとドイツを拠点として活動するドイツ人フォトグラファー、ヴォルフガング・ティルマンス（Wolfgang Tillmans）の作品集。2021年11月27日から2022年4月24日まで、オーストリアの「ウィーン・ルートヴィヒ財団近代美術館（mumok – Museum moderner Kunst Stiftung Ludwig Wien）」での展覧会に伴い刊行された。本展では、1990年代のポップカルチャー界において制作された初期の写真作品に加え、抽象的なイメージや、21世紀初頭のグローバル化・デジタル化された現実を写した高解像度写真、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの直前とその最中に撮った写真などを展示。加えて、2チャンネルビデオによるインスタレーション作品「Book for Architects」や、アルバム「Moon in Earthlight」がサウンド・ビデオインスタレーションとして紹介されている。本書には展覧会でのインスタレーションの写真記録、作品と併せて、作家の活動に関する詳細なエッセイを収録。過去の作品集と同様、作者本人によるデザインとなる。
